はじめての借入はどこから借りるのがいいの?

資金繰り

起業して初めて借入をしようと思っています。どこで借入すれば良いでしょうか?

創業当初は何かと不安がつきものですが、毎月の収入が不安定な場合も多いため「事前にキャッシュを用意しておきたい」と考える社長は少なくありません。初めて借入を行う場合は、どこを頼ればいいのでしょうか?

初めての借入は、「日本政策金融公庫」と「制度融資」で借りるのがおすすめですよ。

借入は日本政策金融公庫と制度融資がおすすめ

創業後、ある程度の事業資金が必要となるケースは多いため、借入を検討される社長は少なくありません。 銀行や信用金庫など、数ある借入先の中でも「日本政策金融公庫」が特におすすめです。また「制度融資」も経営者向けの融資プランを用意しているので、両者の特徴を見ていきましょう。

 

日本政策金融公庫とは?

政府系の金融機関「日本政策金融公庫」は一般の金融機関を補完するために設立されました。

日本政策金融公庫で借入を行うには、事業計画を提出して審査を受ける必要があります。しかし、融資メニューの多さや金利の低さなど、開業から間もない経営者向けのメリットが大きいため、キャッシュを用意しておきたい社長に特におすすめしたい借入先です。

日本政策金融公庫で借入を行うメリット
  • 融資制度の種類が豊富
  • 代表者の保証が不要
  • 返済期間は最長20年
  • 低金利で借入が可能

制度融資とは?

制度融資は地方自治体・指定金融機関・信用保証協会が提携して行っているため、融資を受ける地域によって金利や返済期間などが異なります。また、日本政策金融公庫よりも審査が通りやすいと言われており、その他の借入先と比べても金利が低く返済期間が長い傾向にあるのが特徴です。

制度融資で借入を行うメリット
  • 審査に通りやすい
  • 比較的低い金利で借入が可能
  • 融資以外のサポートが受けられることも

政策金融公庫や制度融資の目的は「公共の利益を追求すること」

借入を考えている社長が注目すべきは、日本政策金融公庫と制度融資です。いずれも政府系の融資であるため、機関の利益よりも公益性を重視しています。

ただ、このほかにも借入先があり、経営状況によっては銀行や信用金庫・信用組合などから融資を受けた方が良い場合もあるでしょう。

どのようなところで借入ができるのか、以下の表にまとめました。

審査ハードル

金利

申込〜融資まで

返済期間

日本政策金融公庫

★★★★☆

1.0〜3.0%

1ヶ月ほど

7〜20年

制度融資

★★★☆☆

1.5~2.5%

2ヶ月ほど

7〜10年

銀行

★★★★☆

2.5〜3.5%

1ヶ月ほど

3〜15年

信用金庫・信用組合

★★★☆☆

1.5〜2.5%

1ヶ月ほど

1〜7年

ビジネスローン

★☆☆☆☆

4.0〜20.0%

1週間ほど

1ヶ月〜

最も融資を受けやすい借入先は、ビジネスローンと言えますが、金利が高めに設定される傾向にあります。また、大手銀行で借入を行う場合は法人の信用度などが審査対象になるため、借入のハードルが高いと言えるでしょう。

その点、日本政策金融公庫は事業計画書を用意し、審査してもらう必要がありますが、低金利で長期にわたって借入を行えるため、創業したての社長におすすめの借入先です。また、制度融資も金利が比較的低く、審査はそれほど厳しくありません。ただし、制度融資を受けるには信用保証料が必要になるので、どちらか迷った場合は日本政策金融公庫での借入を検討してみてはいかがでしょう。

 

日本政策金融公庫と制度融資、それぞれで借入を行うまでの流れ

日本政策金融公庫や制度融資などで借入を行う場合の、具体的な流れを見ていきましょう。

日本政策金融公庫で借入を行う際の流れ

融資プランによって若干の違いがありますが、日本政策金融公庫で借入を行う際の主な流れは以下の通りです。

  1. 1. 予約相談(詳細はこちら
  2. 2. 支店窓口を訪問(支店の確認はこちら
  3. 3. 申し込み(必要書類はこちら
  4. 4. 面談・審査
  5. 5. 融資金の送金

融資の申し込みから融資金の送金まで3週間ほどかかるのが通例ですが、書類に不備があったり審査に時間を要したりすると、1ヶ月以上かかる場合もあります。また状況によっては減額される可能性があることも事前に把握しておきましょう。

制度融資で借入を行う際の流れ

制度融資は自治体によって融資プランや手続きの内容が異なりますが、大きく以下の流れで進めます。

  1. 1. 地方自治体で融資の相談
  2. 2. 金融機関で担当者と面談、融資の申し込み
  3. 3. 信用保証協会へ保証の申し込み
  4. 4. 審査・面談
  5. 5. 融資金の送金

どんな書類や手続きが必要になるか知りたい方は、各自治体のホームページや金融機関などで確認できます。

なお、金融機関を選ぶ際は、信用金庫のような小規模な金融機関の銀行がおすすめです。また、制度融資は自治体・金融機関・信用保証協会の3機関が関わっているため、申し込みから融資金の送金まで2ヶ月近い期間が必要となる点も留意しておきましょう。


まとめ

法人への融資を行っている金融機関は数多くありますが、創業間もない社長が借入を行う場合は「日本政策金融公庫」や「制度融資」がおすすめです。もちろんビジネスローンなどよりも審査の基準が高くなっていますが、安定した経営を行う上では心強い味方となってくれます。

いずれもすぐに借入ができるわけではないので、キャッシュを用意しておきたい方は、早めに準備しておきましょう。

いち早くキャッシュが必要な方という方には、MFTの資金調達支援サービスがおすすめです。

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この記事を書いた人

まちかど社長研究員 ずーさん

380万人いると言われている日本の経営者について研究。 全国の会計士や税理士を通じ、特に従業員が5人未満で事業を営む多くの“まちかど社長”の本音や、お金の困りごとについて日々研究し、全国小さな会社の社長の知識とお金のサポートになるような新規事業開発を、日々、行っている。