事業をするなら、個人事業主として仕事をするか、法人化するか、どちらの方が良いのだろう?

資金繰り

近年、国の賃金引き上げを推奨する動きから、人材の流動化が進み、副業をする人や会社をやめて個人で仕事をする人が増えてきました。

これまでと世の中の毛色が変わった今、個人で仕事をする人たちが、個人事業主として仕事をするか法人化させるかで悩んでいるのではないかと思います。では、どちらが良いのでしょうか?

 

3つの軸から法人化を検討しよう

個人事業主として起業をするか、もしくは法人として起業をするかは、
①経営面
②税金面
③老後の年金面
の3つの軸から判断すると良いでしょう。

【経営面】事業の見通しが立っているか?信用力は必要か?

事業を新たに立ち上げるなら、まずは個人事業主として起業する方が良いでしょう。事業の見通しが立ち、今後もその事業を継続していくならば法人化させて仕事をした方が良いでしょう。

個人事業主と法人を経営面から考えると、その違いは「信用力」にあります。大手や上場企業などでは、個人事業主とは取引をしない会社もあり、例え社員が1名で個人事業主となんら変わらなかったとしても、法人という形態でなければ取引をしないという会社もあるのです。
事業の見通しが立ち、その事業を継続するために信用力が必要な場合は、法人化させることを検討すると良いでしょう。

 

【税金面】事業所得が700万円を超えるか?

事業所得が700万円を超えると、個人事業主より法人の方が税金が安くなります。
700万円の事業所得を得た場合、法人だと約25%の税金がかかるのに対し、個人事業主は約33%の税金がかかります。
法人の場合は、事業所得が800万円を超えても最大で40%程度ですが、個人事業主の場合は最大で55%かかります。

また、個人事業主は事業所得が全て個人の所得として計算されますが、法人の場合は、経営者が会社から給与を受け取ることができるため、所得を会社と個人で分散することができます。そのため法人の場合は、事業所得にかかる税金を安くすることができます。


【年金面】将来もらえる年金額は高い方が良いか?

厚生年金への加入可否は、個人事業主と法人化の大きな違いの1つでしょう。
法人は厚生年金の加入が強制されていますが、個人事業主は加入することができません。そうなると、将来受け取る年金の受給額に差が出てきます。

国民年金の場合は、満額をもらえるとしても月々7万円です。しかし、厚生年金加入者は、国民年金と厚生年金の両方を受給することができるため、月々20万円程度の年金を受給することができます。

厚生年金はメリットだけではなく、将来の年金の受給額が増える分、掛け金も多くなるため経営状況によっては資金繰りの悪化にも繋がります。最悪の場合は支払いができずに滞納が続き、差し押さえなどを経験する方もいるかもしれません。

まとめ

個人事業主として仕事をするか、法人化するかを決める判断は、経営面、税金面、年金面から考えると良いでしょう。
また、その前にまずは自分自身と対話をして、将来どんな働き方をしたいのか?この事業をどうしていきたいのか?などを考えるところから始めてみると良いかもしません。規模を大きくしていき、将来的には上場を目指したいのであれば、法人化は必須です。そうではなくて、自分自身が手を動かして周りの人に影響を与えたいと思うのであれば、個人事業主のまま仕事をした方が良い可能性もあります。まずは芯の部分を見つめてみるところから始めてみるのはいかがでしょうか?

この記事を書いた人

まちかど社長研究員 ずーさん

380万人いると言われている日本の経営者について研究。 全国の会計士や税理士を通じ、特に従業員が5人未満で事業を営む多くの“まちかど社長”の本音や、お金の困りごとについて日々研究し、全国小さな会社の社長の知識とお金のサポートになるような新規事業開発を、日々、行っている。