電子帳簿保存法の改正で、何が変わるの?
最近、タクシー広告やTVCMなどで「電子帳簿保存法改正」という言葉を耳にするようになったけど、何が変わるの?
最近、電子帳簿保存法の改正について、各IT企業がCMを打ち出していますが、それには理由があります。今回の法改正によって、これまで紙書類で保存していたあらゆる情報を、デジタルで保存することが義務付けられました。そのため、情報をデジタルで保存する工程で、自社のITツールを使用してもらいたいと思っているのです。
この記事では、電子帳簿保存法の改正で何が変わり、
私たち事業者にどんな変化があるのか?を解説していきます。
電子帳簿保存法の改正で何が変わるの?
電子帳簿保存法は、1998年につくられました。企業にパソコンが導入され、資料がパソコンで作られ始めたことがきっかけでした。
これまでの電子帳簿保存法では、パソコンで作成した書類や、取引先から電子データで受け取った書類を、紙で保存することが認められていました。
しかし今回の法改正によって、紙で保存することが認められなくなり、電子データのまま保存しなければならなくなりました。さらに、紙で受け取った書類も、電子データにして保存しなければならなくなりました。(※1)
※1 令和5年度税制改正の大綱により、相当な理由がある場合、2024年以降も電子データの紙での保存が可能になります。
参照: 総務省 令和5年度税制改正の大綱
国がペーパーレス化を推進
電子帳簿保存法が改正されたことで、国全体のペーパーレス化は、必然的に進むでしょう。国はこれまで、デジタル化の必要性を訴えてきましたが、それらを取り入れるのは事業者の自由でした。しかし、今回の法改正により、事業者はデジタル化を半ば強制的に取り入れなくてはならなくなり、一気にペーパーレス化が加速すると思われます。
今回の法改正による国の目的は、ペーパーレス化を推進し、日本の業務効率化を高めることです。
ペーパーレス化で変わる4つのこと
ペーパーレス化によって、事業者にとってどのようなメリットがあるのか、みていきましょう。1.オフィスのスペースが縮小できる
紙の文書を電子化すると、物理的な場所を必要としないため、これまで書類の保管に使用していた場所を縮小することができます。また、オフィスを縮小化させることもできるため、今より小さいオフィスに引っ越し、家賃を節約することができます。
2.コストが削減できる
紙や印刷物の購入、印刷や文書の保管にかかるコストを削減することができます。書類を電子化することで、ファイリングや、印刷にかかる時間や人件費を削減できます。3.社員がメインの仕事に集中できる
多くの企業では、社員がメインの仕事と経理を兼任しています。書類を電子化することで、情報の共有や社内外との連携がスムーズに行われるようになります。情報の共有や連携に割いていた時間を、メインの仕事に割り当てることができるようになります。4.セキュリティが向上する
ペーパーレス化により、文書の紛失や盗難、紙の書類の廃棄に伴う情報漏洩などのリスクを低減することができます。電子されたデータは、セキュリティ対策を施しやすく、アクセス権限を制御することができます。まとめ
電子帳簿保存法の改正によって、国は情報を電子化し、ペーパーレス化を推進することで、日本の業務効率を高めようとしています。
まずは、今回の法改正の概要を捉え、国が目指しているペーパーレス化によって私たち事業者が受けるメリットは何なのか?を知り、電子帳簿保存法の改正について理解を深めながら準備を進めましょう。