うちももらえるの?「IT導入補助金」

補助金・助成金

インボイス制度も始まるし、これを機に会計ソフトを導入しようと思っているけど、IT補助金、うちももらえるの?

現在の日本では、人口減少の加速により労働者を確保することが難しくなっています。企業は、業務を効率化させ少ない労働力で成果を上げることが求められています。国は企業が業務を効率化させ売上を向上させるために、DX化やIT化を「IT導入補助金」によって支援しています。

今回の記事では、IT導入補助金の申請要件や、補助額、補助金支払いまでの流れをご紹介します。

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者を対象としています。まずは、IT支援事業者に相談してみましょう。

IT導入補助金は、どんな企業がもらえるの?

IT導入補助金は、中小企業と小規模事業者を対象とした補助金です。この場合の中小企業とは、飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象となります。

IT導入補助金を受け取る条件は、会社の資本金と従業員数が補助対象内であることです。

例えば、製造業、建設業、運輸業の場合、資本の総額または出資の総額が3億円以下であるか、従業員数は常勤で300人以下であれば補助対象となります。
卸売業の場合、資本の総額または出資の総額が1億円以下または、従業員数は常勤で100人以下です。小売業では、資本の総額または出資の総額が5,000万円以下であるか、従業員数は常勤で50人以下と、業態によって条件が異なり、これらの条件をクリアした企業が補助金を申請し、受け取ることができます。


3つの申請可能枠

IT導入補助金には、3つの申請可能枠があります。それぞれ目的が異なるので、自社はどの種類で申請するのが良いかを確認しましょう。(2023年現在)

通常枠(A・B類型)

自社の経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることを目的としています。

自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助してくれます。

セキュリティ対策推進枠

機密情報の流出やウイルス感染など、どの企業にとっても身近になりつつあるサイバーインシデント。それらによって事業継続が困難となる事態を回避し、中小企業に対するサイバー攻撃被害が供給制約・価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや、生産性向上を阻害するリスクを低減することを目的としています。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としたもので、中小企業や小規模事業者等が導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの経費の一部を補助してくれます。

補助額・補助率はどのくらい?

IT補助金には3つの申請可能枠がありますが、それぞれの補助額と補助率は異なります。

通常枠 A類型

補助率:1/2以内
補助上限額・下限額:5〜15万円未満

通常枠 B類型

補助率:1/2以内
補助上限額・下限額:150〜450万円以下

セキュリティ対策推進枠

補助率:1/2以内
補助上限額・下限額:5〜100万円

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

この枠は、申請額によって補助額が異なります。

・補助額が50万円以下の場合

補助率:3/4以内
補助上限額・下限額:(下限なし)〜50万円以下

  • 補助額が50万円を超える場合

補助率:2/3以内
補助上限額・下限額:50万円超〜350万円

  • PC、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機

補助率:1/2以内
補助上限額:10万円

・レジ、券売機等

補助率:1/2以内
補助上限額:20万円

どんなものが補助対象になるの?

IT導入補助金は、申請枠や使うツールによって補助対象が異なるため注意が必要です。

通常枠(A・B類型)

・ソフトウェア購入費
・クラウド利用費(最大2年分)
・導入関連費

セキュリティ対策推進枠

・サービス利用料(最大2年分)

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

・ソフトウェア購入費
・クラウド利用費(最大2年間分)
・ハードウェア関連費
・導入関連費
・PCやタブレット、券売機など(デジタル化基盤導入類型のITツール使用に資するもの)
※ソフトフェア購入先として選定したIT導入支援事業者からの購入に限る

また、補助対象となるITツールは、事務局から認定されたITツールに限られます。

 

IT導入支援事業者に相談してみよう!

IT導入補助金の申請は、各種申請等の手続きのサポートを行ってくれる「IT導入支援事業者」に相談してみましょう。IT導入補助金では、「IT導入支援事業者」を補助事業を申請者とともに実施する、補助事業を実施するうえでの共同事業者(=パートナー)と位置付けています。

中小企業・小規模事業者等の生産性向上のため、ITツールの提案・導入及び経営診断ツールを利用した事業計画の策定の支援も行ってくれるので心強いですね。

※IT導入支援事業者はこちらから検索することができます。

 

まとめ

IT導入補助金を活用してITツールを導入したとしても、自社の課題に適したITツールでなければ経営改善を図ることはできません。大切なのは、まずは自社の課題を知り、まずは何に取り組むかを把握することです。
こうした背景から、2023年からは交付申請前に中小企業庁の「みらデジ」で経営チェックを行うことが申請要件となっています。
自社の経営課題や需要に合ったITツールを導入することで、業務効率化や売り上げアップを図ってみましょう。

この記事を書いた人

まちかど社長研究員 ずーさん

380万人いると言われている日本の経営者について研究。 全国の会計士や税理士を通じ、特に従業員が5人未満で事業を営む多くの“まちかど社長”の本音や、お金の困りごとについて日々研究し、全国小さな会社の社長の知識とお金のサポートになるような新規事業開発を、日々、行っている。